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明莉は胸がつまって、しばらく言葉が出なかった。翼はにこにこと人懐こく笑っている。
と、遠くからその翼を呼ぶ声がした。
「翼君!」
「あ、看護婦さんだ。そっか、もう検査の時間だ」
「じゃ行こっか」
車椅子を押そうとするみなみだったが、翼は首を振った。
「自分で戻るよ。みなみちゃんだって話したいでしょう? …北斗さんとかと」
「こ、こら!!」
顔を真っ赤にするみなみにちょこんとウィンクして、翼は戻っていった。
「ああ、もういつの間にあんなマセちゃって~!!」
(ははぁ…そういうこと)
明莉はにやにやと笑いながら親友に囁いた。
「みなみ~。私お屋敷に戻ってるからさ~。たっぷりお話しなさいよ、ほ・く・と・と」
「な、何言ってんのあんたまで!」
耳まで真っ赤にしながら焦るみなみだったが、思わぬところから助太刀が入った。
「その通りだ。そんなこと言ってる場合じゃない」
誰あろう北斗本人であった。…この場合助太刀とは言わないかもしれない。
「ちょっとそんなことって何よ!!」
「立ち話してる場合じゃないってことだ。まだ練習残ってるだろう」
「そりゃそうだけど…」
「い、いいよ気にしなくて!明莉の練習のほうが大事だもんね」
みなみは大袈裟に両腕を振って笑顔を作り後ずさる。その背中が誰かにぶつかった。
「わっ!?怜君!それに光輝さんも!?」
木刀をかついだ怜と、黒い筒を持った光輝だった。
「俺らも練習しようと思ってさ」
「『俺ら』って、」
「俺も前線に出るからな」
そう言って笑う光輝。
「ほんとですか!?あ、何ですかそれ?」
光輝の筒を覗き込む明莉。
「俺の武器だよ」
光輝がスイッチを押すと金属の棒が飛び出し、さらにバチバチと鳴った。
「こいつで一突きすりゃ連中の回路がショートしてバタン、って訳だ。今は練習だから電流はいらないけどな。さ、始めるぞ」
互いの武器を構える兄弟。切り合いが始まる。
「ほら、届いてないぞ兄貴!」
「何を!!」
思わず見入ってしまう明莉。はっと北斗に怒られるかと思ったが、彼も木刀を持ち出していた。
「さっき私の練習が優先って言ったの誰よ?!」
「俺だって鍛練がいるんだ」
プンと膨れる明莉に光輝が笑った。
「明莉も一緒にやればいいだろ?ペイント弾あるぜ」
こうして四人での練習が始まった。
「それ!」
「なんか楽しいね」
「ああ、ガキの頃みたいだな」
怜が笑顔で言った。その様子を、みなみは遠くから見つめていた。
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